小雨のなか

小雨というには大ぶりの雨のなか、あと1時間と少しで日付が変わろうとしている。なんだかいてもたってもいられなくなって、家を飛び出し、自転車にまたがった。

堀川通をほんの少し北に進むと、院内感染がおきた病院が見えた。アレがすぐそこまでせまっていることを実感させられる。

上立売通を横切ると、これまで何度か缶チューハイを啜った公園が見える。誰もいない。

烏丸通にひかりはなく、遠くの京都タワーが煌々と光っている。烏丸上立売くらいから、京都タワーの凄さを知ることはなかなかない。京阪電車で大阪方面に向かう際に七条をこえて地上に出た直後のカーブや、阪急の西京極付近などから望む京都タワー以上の京都タワーだった。つい1か月前は空中径路を散歩したのに、なんだかとても概念化している。

通りすぎるどのお店にも、なにかしらの貼り紙が貼っており、今見たくないカタカナ(ツイッターでもちゃんとミュートワードにしているよ☆)がだいたい見出しになっている。

相国寺はいつも以上に暗い。

デルタにはなぜか結構人がいる。鴨川に降りようかななんて思っていたけど、雨のにおいは強まる一方だし、やめた。

そして、賀茂大橋はバスが通ると揺れるということをはじめて知った。バスが通っている時間に、他の車が通っていないことは少ないから、知らなかった。

真っ暗な今出川通りを西に進む。同志社のあたりなんて普段は長くてしかたないのに、あっという間だ。景色という情報に飢えているからだろうか。

深夜や早朝にこのルートを徘徊したことは数えきれないほどあるけれど、こんなに不気味だったことはいままでにない。

そんなこんなで備忘録に近いブログを綴ってみた。未来の私がこのブログを読み返しながら、2020年春の異常事態をワカモノたちに語るために。