vbnm1005の日記

恥をかき集めた

SNS疲れ

私ははじめて梅田にいったとき、アトリウムのあたりで足がすくんだ。私が生きてきた世界にはこんなところはなかった。私にとっての「都会」は、地元から車で3時間ほどの地方政令指定都市だけだった。ああ、私の人生はおそらくこれから想像しえないものになっていくんだなあ、と実感した。

その感慨とともに生きてきたはずが、その感慨すらももう遠のいている。相変わらず芋臭いし、「染まった」わけでもない。むしろ京都で自転車を乗り飛ばしながら地味に暮らしているだけだ。だけど、梅田にいってももう感動しない。

 

ここ最近、ツイッターなどで、まだ一度も大学に足を踏み入れたことのない1回生だとおぼしき人々が、「大学は大学生を軽視している!」とか「はやく通常授業に戻せ!」と声をあげている。その動きはとてもいいことなんだろうし、そうして声をあげてくれる人がいたからえた恩恵にあずからせていただいたものも数多いと思われる。

でも、青いなあ、と思ってしまう。この発言、もしかして冷めている今どきの大学生、とラベリングされてしまうものだろうか。

 

まだ一度も大学に足を踏み入れていない1回生が、大学がどういうところなのか、どういう仕組みなのかわからないのは当たり前。そして私がこうして感じていることも、あくまでも3年間(かなりさぼりながら)大学に在籍していた学生としての立場でしかない。本質的な「大学」なんてこれっぽっちもわからない。それぞれがそれぞれの立場でしかものを考えられないのは当たり前のことだけど、もう少し異なる立場の人に関心を寄せる努力だけでもしたいなというのが私の気持ちだ。

 

私が通っている大学は、この騒ぎのなかではおそらく全国のなかでも有数の判断のはやさ・的確さを誇っている。2月上旬に卒業式・入学式の中止を決定していた。これに対して発表されたころの私は正直やりすぎだなあと思ったけど、今思うと最良の選択だったと思う。それから、テストについても対面かオンラインかで直前まで揺れている大学も多かったようだけど、すべてレポートにするというのを4月頭に発表していた。支援金の振り込みも尋常なくはやかった。図書館に関する対応もとても迅速かつ的確だった。印刷の支援もあった。

大学をほめたたえたいわけではない。

わけのわからない広告を莫大なお金をかけて打っていたこともある。文科省に媚びるために15回授業や出席主義を徹底していて、「自由」な大学像からはかけ離れている。こうしたことにも何か事情があるのかもしれないが、いち学生からは見えないものなので、そりゃあ多少なりとも不満は抱いてしまう。

そうしたしょうもないこともする大学のくせに、今回の対応はまあよかった。吊り橋効果なのかなともうすうす思うけど、でもできる範囲で対応してくれたと少なくとも私は感じている。

 

こうしたなかで「大学はなにも対応してくれない!」と騒いでしまうことは、少々ずれているように思う。想像できないことにしても、どうしてほしいのか?それによるリスクやデメリットは?それを打ち消すためにはどうしたらいいのか?というところまで、あと一歩でもいいから思考を巡らせるだけで話は少し好転すると思う。

いま起こっている現象は、なにかしらの理由や流れがあって、表面化してくるものなのだから、まずはそこに思いを巡らせなければならないような気もする。

 

うまく言葉にできない。自分の考えをただただ表明することは、思考停止なのではないかなと思った。自分にとっての正義で、誰かを傷つけてしまう可能性があるかもしれないから。決して博愛主義者ではないし、むしろ戦闘派ではあるのだけれど、でもだからこそ私はできる範囲で咀嚼してから発言したい。

 

うまく言えない。人の主張に触れるのに疲れてしまったので、最近はほとんどツイッターをみなくなってしまった。シャットアウトするのは逃げだというのはわかっているんだけど、しばらくお休みすることで自分を守ろうとしている。

 

このままだと通常授業に戻ったら、また学校にいけなくなってしまうだろう。そして親類には「大学を頑張っているよ!」とうそをつき、友人にも「眠くてさぼっちゃった」「大学だるいわ」とうそをつき、ツイッターでひどい成績をさらしてファボ稼ぎをして承認欲求を満たし、私は虚構のかたまりとなっていく。

大学を頑張っているというわりには中身がないという痛いツッコミをうけたりとか、さぼるのは甘えだ!という(そこまで親しくもない)同級生からの叱責をうけたりとか、ファボ稼ぎの寒さにどんびきされたりして、どんどん私の周りからは人がいなくなっていくし、信用なんか当然されない。

こうなるともはや自業自得でしかない。私はうそつきという看板を一生背負い、最後はそれが十字架へとなっていくのだろうか。

 

逃げるのをやめたい。そのために今はまず逃げさせて。